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株式会社AiCT

代表取締役 渡邉 直登

熊本から拡がるスマートクリーニング! ロッカーに注目した起業家のビジョンとは

テクノロジーの発達によってさまざまな不便が解消されていますが、クリーニング業界でも革命が起こっています。来店不要、24時間いつでも好きなときにコインロッカーに衣類を入れれば、綺麗にクリーニングされて返ってくるサービスが生まれたのです。このスマートクリーニングサービス「LAGOO(ラグー)」を運営しているのが、熊本県に本社を置く株式会社AiCT(アイクト)。ロッカープラットフォームビジネスが軸であるため、今後はクリーニングにとどまらない非対面サービスを構想しています。Aictで代表取締役を務める渡邉 直登さんに、この事業を展開する理由や、就職せず起業に踏み切った経緯などについてお話を伺いました。

ロッカーをプラットフォームに、24時間利用可能なクリーニングサービスを展開

 まずは事業内容について教えてください。


渡邉 AiCTは、「テクノロジーで社会を変える企業を創る」をビジョンに、 「LAGOO(ラグー)」というサービスの開発と運営を手掛けています。「LAGOO」とは「Locker」、「Application」「GO」「Open」の頭文字を取った造語で、ロッカープラットフォームビジネスのことです。モノの受け渡しをロッカー経由で簡単・便利・スピーディーにすることで、ユーザーが自由に使える時間を生み出せたら。そう思い、第一弾として展開しているのがスマートクリーニングサービスです。


 スマートクリーニングサービスとは、どんなサービスですか?

渡邉 衣類を専用のロッカーに入れればクリーニングされてロッカーに返却される、無人のクリーニングサービスです。クリーニングを利用して、「店舗の営業時間内に受け取りが間に合わなかった」という経験をされたことがある方も多いと思います。生活に密着したサービスなのにビジネスモデルがずっと変化していない業界だったので、スマホアプリやクレジット決済が普及してきた今なら、新しいクリーニングのあり方を提案できるのではと思って始めました。24時間利用可能ですし、ロッカーに入れるだけなので待つ必要もありません。預けた後のステータスも、アプリ内で追跡可能。地場の優良クリーニングサービス会社さんと提携しており、シミ取り・汗取りは標準サービスなので、安心のクオリティに仕上がります。現在、専用ロッカーを14都道府県に120箇所ほど設置しています。

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>>「LAGOO」公式ホームページ<<

 なぜ、まずクリーニングに目を付けたのですか?

渡邉 同じく熊本に本社を置くホワイト急便さんとお話をする中で着想したサービスだということも理由ですが、一番は生活に密着していて、かつユーザーのペインが大きいと思ったからです。クリーニングって、二回受け渡しが発生するでしょう。それはつまり、忙しい中で時間を割いて二度も店舗に足を運ばなければいけない状態があるということ。そのペインを解消したいと思ったんです。サービスリリース後は、ユーザーから「ライフスタイルが変わりました」という声が届いたり、外国人の方から「今までは店舗でうまくコミュニケーションが取れなくて利用できなかったけれど、このアプリのおかげで初めてクリーニングを出せました」と言っていただけたりしていて、自分たちのサービスが役に立てていると思うととてもうれしいです。

 サービスの認知度はどのようにして上げていきましたか?

渡邉 熊本のニュース番組で取り上げていただいたことで会員数が伸びました。また、力を入れたのは設置数の拡大です。最初の半年は専用ロッカーが熊本市内に3箇所しか無かったため、認知度は上がらないし、「LAGOOって何?」と思われてしまっていました。現在は、熊本県内に約60箇所のロッカーを設置しているので、見かける頻度が増えるにつれて、認知度や信頼度も上がっていっています。

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就職氷河期真っ只中だったからこそ選んだ、学生から即起業の道

 高等専門学校卒業後すぐに起業されていますが、学生時代から起業を志していたのですか?

渡邉 私が小学3〜4年生のとき、世の中はバブルでした。高級車に乗り、豪邸に住んでいる社長をテレビ番組で見かける機会も増えて、なんとなく「いいなあ。社長になりたいなあ」と思うように。ただ、高専から大企業に就職した後に、脱サラして起業する人生設計だったんです。それなのに、就職氷河期真っ只中で、志望企業は大学院卒しか採用していなくて。早く社会に出たかったので、就職は諦めて起業しようと決めました。

 起業時のエピソードを教えてください。

渡邉 始めは「グルコミ」というサービスから事業を始めたんです。当時はまだグループチャットができなかったので、グループでテキストや絵文字を使ってコミュニケーションが取れる、現在のLINEのようなiアプリを開発したんですが、最先端すぎたのか軌道に乗らなくて(笑)お金が足りなくて潰れかけました。それで、「何でもやります」と言うようになり、一番お仕事をいただけたのがHP制作でした。そんなルーツを持つ、当時立ち上げたフロンティアビジョン株式会社は、設立18年目を迎え、現在は熊本No.1のHP制作実績を持っています。(※フロンティアビジョン株式会社は、渡邉さんが経営するもう一つの会社です)

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 やはり、地元・熊本で起業したいと思っていたのでしょうか?

渡邉 いえ、そもそも大企業志望のときは東京で働く気満々だったので、ずっと熊本にいるのは結果論なんです。でも、生活コストは安いし、海も山もあるし、食べ物もおいしいのでいいことずくめで。最近はオンラインでの打ち合わせも当たり前になっているので余計に、拠点はずっと熊本でいいなと思っています。

 経営をする上で大事にしていることはありますか?

渡邉 フロンティアビジョンの経営理念でもある「デザインとICTでHAPPYをつなぐ」ことです。当社に関わる人すべてのHAPPYがつながるポイントを探りながら、ビジネスをしています。熊本にある上場企業の会長さんが、社会やお客様や社員のために事業をされていると話されているのを聞いて、この考えはより強まりました。

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テクノロジーを使って不便を解消し、ユーザーが自由に使える時間を増やしたい

 今後のビジョンを教えてください。

渡邉 スマートクリーニングサービスについては、ロッカーの設置数をまずは500箇所くらいまで増やしたいです。都心と相性のいいサービスなので首都圏でももっと展開したいのですが、駐車場などが広い熊本と違ってロッカーを置くスペースがなかなか見つからず、この課題解決は必須だと思っています。他に、買取サービスや月極ロッカーなど、ロッカープラットフォームを他のサービスにも応用したいです。新型コロナウイルスの影響もあって、〝非対面〟も一つのキーワードになってきているので、いろんな業種・業態と協業してビジネスの可能性を広げていきたいですし、その結果ユーザーの生活が便利になって自由に使える時間が増えることに貢献していければと思います。

 最後に、これから九州で起業しようとされている方にメッセージをお願いします。

渡邉 起業したいなら、すぐにやってみればいいと思います。やってみてダメだったとしても、真剣にやったならいろんな学びが得られるし、必ずその後のキャリアにも活きるので。「起業する若者が減っている」なんて言われてますが、裏を返せばそのぶん目立てるってことですし。熊本にも少しずつ、全国展開を見据える30代経営者の知り合いが増えてきたので、皆で頑張って成功することで起業が活発になればいいなと思います。

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ライター / 倉本 祐美加