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collEco株式会社

代表取締役 濱崎 皓王

クローゼットに眠る3.5兆円を事業に。学生起業家が目指すエシカルなファッションビジネス

車などシェアリングビジネスが定着した昨今、九州大学の学生4人で起業した「collEco」が考えたのは、憧れているの人の上質なファッションがレンタルできる、ワクワクするようなサービス。 アメリカのシリコンバレーで開催された「San Fransisco Pitch Night 2020」で準優勝の栄誉に輝いたこの事業は、クローゼットの余剰を解消するのはもちろん、廃棄が問題となっているファストファッションの現状をも変えるかも知れません。
collEco株式会社の濱崎さんに話を伺いました。

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憧れている人の憧れている服を気軽にレンタルできるC2Cサービス

 まずは事業内容を教えてください。

濱崎 個人間でファッションをレンタルする、プラットフォーム「collEco」のサービスを予定しています。キャッチコピーは「憧れている人の、憧れている服を、あなたの元へ」。事前に服を貸す側と、借りる側に登録してもらって成り立つビジネスで、大学の憧れの先輩やインスタでフォローしているインフルエンサーのクローゼットを見て、好みの服を借りることができます。対象はラグジュアリーファッションやデザイナーズブランド。デートにオシャレな服を着たいという時や、ちょっと気分転換に違う服が着てみたいという時などに使っていただきたいと思っています。クリーニング店を介するため清潔であることも特色です。

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 ファッションの二次流通市場ですね。なぜここに目をつけたのでしょうか。

濱崎 日本人女性のF1層(20〜35歳)が所有する服の約75%は稼働していないといわれています。コストに換算すると総資産合計だけで約3.5兆円になるそうです。また今はファストファッションの時代です。安価にトレンドのある服を着られるのは利点ですが、実はたいていが1、2年で処分され資源の無駄に繋がっています。生産現場である発展途上国の過酷な労働環境も捨て置けません。

 レンタル市場の伸びにも注目されたようですね。コロナ禍も追い風になりそうとか。

濱崎 はい。世界的な市場を見ると特にアメリカではファストファッションの伸びは鈍化していて、他方でレンタルファッションの市場が伸びていることがわかりました。最近はシェアビジネスが一般的なことはご存知の通りですが、コロナ禍で大学や会社へ行くことも減った今、ヒアリングをしてみると安価な服を買う回数が格段と減っていることもわかりました。

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大学を休学してまでも、起業すると決めた理由とは?

 大学在籍中でありながら起業にいたった経緯を教えてください。

濱崎 起業を意識し始めたのは高校3年生の時です。会社経営者の母親が病に倒れて僕が業務を代行することになったのですが、まったく歯が立たず、悔しい思いをしました。十分な教育を受けさせてもらったはずなのに僕ができることは何もなかった。その後、そんな自分を早くなんとかしたいという思いを抱えたまま、九大の生物資源環境学科に入学。前々から起業を志していたという友人との出会いがあって、起業を決意しました。すぐに始めたのは遠い未来に成果が出る研究より、結果が早く出るビジネスのほうが良いと考えたからです。

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 起業の背中を後押しした、具体的な出来事はありますか。

濱崎 2019年9月にチームcollEcoとして活動し始めました。また同時期に九大起業部に入り、スタートアップ支援施設であるFukuoka Growth Nextのスタッフになるなど、道を探っていきました。2020年1月には、福岡市主催の「GLOBAL CHALLENGE」というピッチイベントに参加して優勝。同時にアメリカのシリコンバレーで開かれた「San Fransisco Pitch Night 2020」の参加資格をもらい、準優勝とFabbit賞を2つ受賞することができたんです。おかげで、日本だけでなく世界にも通じるサービスだと自信をもつことができ、3月に会社登記しました。その時に出会った現地の方々にアドバイスをいただいたのも大きな収穫です。

 チームcollEco時代には、ポイ捨て防止のアプリを作られましたが。

濱崎 はい。ゴミを所定のゴミ箱に分別して捨てると、カフェラテが一杯無料になるというアプリでした。環境は昔から関心のあるテーマです。テレビにも取材してもらうなど話題にもなったのですが、ビジネスとして成長させようとすると課題がありました。投資家の方にもたくさん相談したんですがスタートアップとして急成長できるモデルにはなり得なかったんです。環境をとるか、スタートアップとしてグロースするかの間で葛藤しました。僕も含めたメンバー4人とも休学して起業するわけですから、それで失敗すれば彼らの2、3年の時間を奪ってしまうことになる。だから、ちゃんと成長できる事業をしたいと覚悟を決めました。

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経験値はない。でも学生起業家を応援してくれるムードはある

 大学生が起業するメリットはありますか?デメリットもよかったら教えてください。

濱崎 大学は人の輪が広がりやすく、社会に出たら手が届かないような人にも気軽にコンタクトをとれて人脈を活用できます。また人手がいる時に、気軽に友人の協力を得られるのも良いところだと思います。それから学生起業家はレアなので、助けの手を差し伸べていただきやすい。ご協力をお願いしているクリーニング店の「ハニー東京」さんは、実績もない僕らに「君たちなら、面白そうだし使っていいよ」と言ってくださいました。デメリットはやはり、社会人経験を積んでから起業した方などと比べると経験値が少ないことです。「どうしよう」「無理じゃん」と思うような出来事が多々あります。これを乗り切れるかどうかが肝だと思っています。

 「collEco」が持つサービスの強みはなんでしょうか。

濱崎 日本でもファッションレンタルのB2Cサービスはありますが僕らのようなC2Cは少なく、アメリカでも複数社だけです。なぜかというと、貸すのも借りるのも個人ということで破損などのリスクがあり、難しい領域だからです。そこを 僕たちは「collEco」をコミュニティとして機能させることで解消しようと考えています。「あの人の服だから」というユーザーの心理から、安全性を担保させるという仕組みです。

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起業でも就職でもいい。これだけは人に負けないという領域で突き抜けること

 福岡で起業してよかったことはなんですか。

濱崎 福岡は実証実験がしやすい土地です。東京だと人が分散しやすいし、渋谷や下北沢に行く人はファッションの傾向が違います。ですが福岡の場合は人が集まるのは天神か博多と決まっていて、街が縮図のようになっています 。実際、2020年9月1日より福岡市内にて男性向けβ版の実証実験をおこないます。売上や利益率などではなく、「collEco」が真に愛されるサービスとなり得るかどうかという点に着目して実験を行う予定です。

>>男性向けβ版「collEco」の事前登録フォームはこちら<<

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 大学生でこれから起業したり、将来を決めようという方にメッセージをお願いします。

濱崎 「起業しろ!」という話も聞きますが僕はそうは思っていません。働いてみたい会社があれば就職してもいいし、ロックバンドを目指したいのならその道に進んでもいい。それと同じように、起業したいと考えるのであれば、すればいいと思います。ただ、そこに想いや熱がある事が必須で、何があってもこれだけはという突き抜けられるものを持つことが大事なのではないかなと。とりあえず企業に就職してなんとなく働いてというのは、もったいないなと思います。 また、最後に「collEco」のアプリは大学生にもオススメのサービスなので、ぜひ使って欲しいと伝えたいですね。 男性向けβ版「collEco」の事前登録もお待ちしています!

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ライター / 山本 陽子