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株式会社Crasti

代表取締役 日高 秀

病気を事前に防ぐヘルステックを目指して。急成長するオンライン完結型の食事指導サービスとは

株式会社Crasti代表の日高さんは、パーソナルトレーナーや栄養学講師などをヘルスケア業界で経験を積んできたスペシャリストです。そんな日高さんが2019年、LINEを使った食事指導サービス「Tabegram」を立ち上げました。これを第一歩とし、増大する医療費や不足する医師問題など、ヘルスケア分野が抱える課題の解決に挑み始めています。

オンラインに特化した栄養指導サービスの新ビジネスを考案

 主力事業の「Tabegram」の特色を教えてください。

日高 LINEを活用したパーソナルのオンライン完結型の食事指導サービスです。食事の写真をLINEにアップすれば、一般社団法人栄養コンシェルジュ協会認定の資格をもった専門家や管理栄養士が適切なアドバイスをするというものです。一時期、糖質オフダイエットが流行りましたが、私たちが提供するのはその反対で、糖質をしっかり摂りながらのダイエットがコンセプトです。

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 オンライン上での食事指導に契機を見出したのは、どんな理由からですか?

日高 通院や運動は基本的に行われている場所へ出かける必要があります。しかし食事指導だけならその必要はありません。さらに食事の前後に速やかなアドバイスが重要なのでオンラインが最適だと考えました。朝食の写真を送ると昼食前にはアドバイスが届くのが基本です。これまで食事指導といえば保健所などでの指導が主体で、回数が少なく「その場で聞いて終わり」というケースが多かったようです。食事指導は回数を重ねてこそ効果があります。その点でもLINEを介したサービスが適していると感じました。

 近年、同様のサービスが増えてきたようですが、ズバリ、御社の強みは?

日高 前述の日本栄養コンシェルジュ協会と業務提携し、専門知識をもった栄養コンシェルジュからのアドバイスを提供できます。自社で専門家を育成すると時間とコストが必要で、指導のクオリティを保つこともなかなか難しく、安定したサービスに繋がりません。また提携している専門家は栄養面の知識や指導だけでなく、レシピ考案や運動指導といったスキルもあります。今後はそれらも活用しながらヘルスケアの分野で幅広く展開していく予定です。

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ヘルスケアのプラットフォームを構築。医療費問題の解決にも繋げたい

 「Tabegram」が稼働して1年が経ちましたが、現在の状況はいかがですか。

日高 今のところ体験者は述べ約600人。3ヶ月継続のユーザー実績で見ると元の体重から平均で約10%オフしているという結果が出ています。コロナ禍の自粛期間中に食事や体重のコントロールを意識された方が多いのでしょう、ユーザー数は右肩上がりに、予想よりも伸びています。

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 「Tabegram」はビジネスプランの入口だと伺いました。今後の展開は?

日高 今後はまずアプリを提供する予定です。食事指導を受けるユーザーと食事指導の先生とのマッチングに重きを置いたプラットフォームを構築します。ある先行研究ではダイエットで結果を出すにはパートナーとの相性が重要だということがわかっています。そこに着目したのがポイントです。ほかには現在リクエストが多い、レシピコンテンツやミールキットの開発を開始しています。アプリは2020年内の完成を予定しています。

 ヘルスケアの分野に携わることで、日高さんが創りたい未来とは?

日高 「Tabegram」のミッションは「すべての人が最適な情報と信頼できる人にアクセスできる食のプラットフォームをつくる」です。現代社会において食の情報は氾濫しています。この先、一人ひとりが最適な情報を取りに行くのはますます難しくなると予測しており、それを補完するサービスが必要になります。現在はダイエットが入口ですが、今後の展開として生活習慣病やアスリート、産前産後といった様々なシーンにおいて病気の一次予防に役立つサービスを提供していきたいです。ヘルステックはどれだけ早く病気を発見するかという二次予防の領域が資金調達も含めて活発です。しかし私は、病気を防ぐ一次予防の領域にこだわりたいと考えています。超高齢化に伴う医療費の増大や医師不足などの課題を抱える日本において、これらを解決できるプロダクトを創れたら、世界に先駆けたロールモデルとなり得るからです。そう考えるとますますやる気が出ますね。

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「My life is my message」。メッセージを生き方そのものに込めて

 日高さんが起業するにいたった経緯について教えてください。

日高 起業を考え始めたのは社会人になってからです。パーソナルトレーナーとして活動するなかで、優れた先輩方に出会い、比較して自分のスキルを磨く必要があることを痛烈に実感しました。そのお陰か成果も出て、お客様から評価をいただいたのですがその時、気づいたんです。確かに目の前の人は健康になっているけれども、もっと大きな視点から見れば世界は何も変わっていないということに。起業してビジネス規模を大きくすれば、世界を変えられるのではないかと思いました。

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 起業にはどんな魅力がありますか?

日高 子どもから大人へと成長する過程で、人は必要な能力を身に付けるためにさまざまなことに挑戦します。しかし大人になると、自分で取りに行かない限り挑戦の機会は減っていきます。私は挑戦した先に、自己の成長があると考えていて、それを楽しめるタイプです。起業は挑戦の連続です。困難なことも多いですが、大人になっても挑戦ができる舞台がある、それが起業だと私は思います。

 これから挑戦する人にメッセージをお願いします。

日高 アイデアってお金と同じで、持っているだけではなんの価値もありません。お金は使い方にその価値が出るように、アイデアも実行し、社会からの評価を得てはじめて価値が出るもの。アイデアがある方や社会の課題を感じている方ならば、まず行動してほしいですね 仮に失敗したとしても、それは通過点と捉えて次に行けばいい。そもそもビジネスは百発百中、うまくいくものではありません。私もまだ夢半ばではありますが、一歩踏み出してこそ、違う景色が見えてくるものだと思います。そういう気持ちで、一緒にがんばっていきましょう。ガンジーのいった言葉で「My life is my message」が私の好きな言葉です。自分の人生が自らの大切なメッセージとなるよう、進んでいきたいです。

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ライター / 山本 陽子