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INTERVIEW

デジタル×リアルで挑む新境地。ブロックチェーンゲームとECサイトを繋げる「くりぷ豚」とは

株式会社グッドラックスリー
代表取締役社長 井上 和久

    「ビットコイン」や「イーサリアム」などの暗号資産(仮想通貨)と聞いて「難しいのではないか?」という印象を持つ人も多いでしょう。しかし、多くの人が身近に感じているスマホゲームで資産が変動するとどうでしょう?ブロックチェーン×ゲームにいち早く可能性を見出し、国内初タイトルをリリースした企業が福岡にあります。今回は株式会社グッドラックスリーの代表取締役社長を務める井上和久さんに、ブロックチェーンゲーム事業や、そこから繋がる新たな展開について伺いました。

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    ブロックチェーンゲームから始まる新境地


     まずは事業内容について教えてください。

    井上 メインとなるのが、弊社が国内初のブロックチェーンゲームとしてリリースした「くりぷ豚」やトークンコミュニティ「RAKUN」などのブロックチェーン技術を軸とした事業です。2つ目がメディア事業で、ドラマや映像コンテンツの制作を通して、企業のPRをお手伝いさせていただいています。また、2020年8月に「くりぷ豚」のキャラクターを絡めたECサイト「栗で育てた「くりぷ豚」(都城産)オンラインショップ」の運営を開始しました。

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     ブロックチェーンとゲームを融合させたのは日本ではじめてなのですね。すでにリリースされて多くのプレイヤーがいますが、見えてきた課題はありますか?

    井上 養豚の要素を取り入れた「くりぷ豚」というゲームですが、その中で豚を配合し、育て、他のプレイヤーとトレードすることで、資産(暗号資産)を増やせる仕組みを作りました。暗号資産だけを見ると「どうやって運用していけばいいかわからない」という印象を持つ人も多いですが、ゲームなら親近感もあり、効率よく遊んだ結果が資産に繋がれば実感もしやすいですよね。ですが、まだまだ多くの方には、ウォレットや管理の仕組みがわかりづらいのも事実です。誰でも使えるようなものにして、一般層にまでプレイヤーを増やしていくことが最大の課題だと思います。

     グッドラックスリーさんでは、そうした課題にどうやって取り組んでいるのでしょうか?

    井上 わかりやすさや楽しさの要素がないと、手にとってもらうことは難しいですよね。もっと気軽に楽しんでもらおうと、日本円でブロックチェーンゲームが遊べるように他社と連携した取り組みを行いました。また、新しいアプローチとしてリアルな「くりぷ豚」を作って売ることにしました。自分たちでブランド豚をプロデュースしてECサイトで美味しい豚肉を販売します。そこにちょっとしたグッドラックスリーなりのアイデアを取り込んでいます。

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    IT企業が豚肉を売る?リアルなECを展開するワケ


     いわゆる「おとりよせ」のような形で豚肉を販売するのですね?

    井上  はい、本物の豚肉を販売します。弊社の「くりぷ豚」のネーミングは暗号通貨の「暗号=Crypto:クリプト」が由来となっていますが、福岡の有名な飲食チェーンである「竹乃屋」の竹野社長と話していた際、「くりぷ豚ってなに?栗を食べている豚のこと?」と言われたんです。そこから着想を得て、竹野社長の後押しもあり、オリジナルのブランド豚を創ろうと決めました。宮崎県都城市の養豚場と提携して、生後180日程度で出荷できる体制を整えました。餌もじっさいに栗とカシューナッツを食べさせることによって、甘みが出て、低脂肪、オレイン酸も豊富で、美味しくてヘルシーになりました。

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     まったく異業種の分野ですよね。これがブロックチェーンゲームの敷居を下げることになるのでしょうか?

    井上 そうですね。ただ豚肉を販売するだけでは面白くないので、商品にシールを封入することにしました。ビックリマンチョコのようなシールの裏に、シリアルコードが記載されており、読み込むとゲームの「くりぷ豚」で新しい豚さんがプレゼントされて、コレクションゲームを楽しむことができるようにしました。次のステップでは、ブロックチェーン技術と融合させて、ブロックチェーンゲームに馴染みのない人にも気軽に体験してもらえるような狙いです。またゲーム内のレースで上位入賞すると、本物の豚肉をプレゼントする仕組みも既にありますので、ゲームとリアルを行き来する仕掛けをしていきます。

     いわばブロックチェーンゲームがデジタル領域、ブランド豚の生産・販売がリアル領域ですが、その組み合わせでどんな未来を目指していますか?

    井上 リアルとデジタルが行き来するデジタルツインを目指しています。キャラクター発のデジタルツインプラットフォームです。リアルの生活から、自然とデジタルを活用していたり、デジタルで遊んでいたら、自然とリアルの生活に影響を及ぼしていたり。具体的に言うと、「くりぷ豚」で楽しく遊んでいたら、知らないうちに自分のウォレット(財布)の暗号資産が増えて資産家になっているとか。かたや豚肉をお取り寄せした普通の人が、くりぷ豚シールのシリアルコードを読み込んだら「くりぷ豚」ゲームを楽しんでいる。それくらい自然に生活に溶け込んでいるデジタルツインの時代を目指しています。

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    まずは自分の幸運さを自覚し、夢中になれるテーマを見つけること


     なぜ起業をしようと思ったのですか?

    井上 実家が中洲で宝石店(宝石・時計いのうえ)を経営していて、景気の良いとき悪いときの両方を見てきました。自然と「自分で食べていかなくては」という意識は若い頃から強かったと思います。大学卒業後にはドリームインキュベータに入社し、エンタメ好きが高じてゲームアプリ事業を立ち上げましたが、予算未達成で、結局その部署も解散することなってしまいました。それでもゲームやエンタメの仕事をやりたかったので、自分で会社を興すタイミングが来たと思い、一緒にやってくれるクリエイターチームがいた地元・福岡で起業することとなりました。

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      会社を経営する上で、特に大切にしているマインドを教えてください。

    井上 競争戦略上のセオリーも踏まえた上で、「魂がバイブする」かしないかで判断することを大切にしています。この事業は自分たちがした方が良いことなのか、自分たちの魂が納得しているのか、ということですね。「魂がバイブ」している時は、いろんなハードルを乗り越えていけます。逆に、魂がバイブしていない時は、クリエイティブ、プロダクト、サービスとして価値が高まりづらいです。メンバーと接するときは、会話や表情全体から、この魂がバイブしているのだろうかというのを感じ取っています。メンバー間で、魂をバイブし合い、高めあっていき、命を燃やしていきます。

     最後に起業を目指している人にメッセージをお願いします。

    井上 まずこの時代のこの日本に生まれていることをラッキーだと思うことでしょうか。私の祖父は、戦後の中州の焼け野原にバラック小屋を建てて商売を始めたと聞いています。来月の資金繰りとかではなく、今晩の飯に困っていたと思います。ですが、今の日本では仕事の内容、場所を選ばなければ、飢えることの方が難しいと思います。また、AI、ブロックチェーン、IoT、XR、DXを始めとして、イノベーションがありとあらゆる所で起きています。チャンスは無数にあるのです。大事なのは、自分の魂がバイブするテーマを見つけること。そして、そのテーマと向き合い、社会に必要とされるプロダクト、サービスとして提供できるように、地道にコツコツと改善をしていくことです。一緒に、魂がバイブする現実、時代を創って行きましょう!

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    writer

    ライター

    赤坂 太一

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