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株式会社KINCHAKU

代表取締役 新宮 ドミ

目指すはモバイルウォレット革命。「KINCHAKU」が可能にする“嫌がられないプロモーション”とは

スマホ決済やカード決済が進んでも、ポイントカードや会員証があるから財布は手放せない。そんな方もまだまだ多いのではないでしょうか? そんな日本の現状を変えるべく、株式会社KINCHAKUは、スマホに標準装備されている「ウォレット機能」を最大限に活用できるクラウドサービス「KINCHAKU」をスタートさせました。代表の新宮ドミさんに、サービスの特長や起業までの経緯などについて伺いました。

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中小規模の店舗の味方に! 誰にでも気軽に使える「KINCHAKU」とは

 御社の事業について教えてください。

新宮 「KINCHAKU」は、スマホに標準装備されている「Apple Wallet」や「Google Pay」といったウォレット機能を活用したO2O(Online to Offline)のクラウドサービスです。従来、紙やプラスチックで配布されていたポイントカードやクーポンを「ウォレットパス」という形でお店が発行し、それをスマホのウォレットに入れられるようにしました。加盟店には専用のアプリが配布され、お店はそのアプリでウォレットパスにスタンプを押したり、使用済みのクーポンを消したりすることができます。誰にでも簡単にワンストップでカードやクーポンの発行・運用ができるので、独自のシステムを開発するのが資金的に難しい、中小規模の店舗に活用していただきたいと考えています。

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  このサービスのメリットは何ですか?

新宮 消費者は、財布を占めているポイントカードなどから解放され、いざ使いたい時に忘れるようなこともなくなります。また、アプリのインストールなどをする必要がないので、利用のハードルが低いのも良いところです。お店側は、非接触でスタンプ付与などを行えるので、コロナ禍中では特に衛生面でのメリットが大きいですね。また、世の中にはお店を応援するさまざまなサービスがありますが、利用料が高いものやサービスの仕組みに則ったことしかできないものが多いです。しかし、「KINCHAKU」は、導入しやすい価格ですし、サービス内容を自由に決められるので、独自のロイヤリティプログラムを展開することが可能です。

 他社と違う特長があれば教えてください。

新宮 お客様に嫌がられないプロモーションができることですね。ウォレットパスそれぞれに異なった通知を送れるので、例えば女性向けのクーポンを取った方に、女性が喜ぶ情報をセグメントして送ることが可能です。また、クーポンの通知がオフにされても、スタンプカードがあればそこに引き続き情報を送ることができます。位置情報を生かして、クーポンを持った方が店舗の近くを通ったら通知を送ったり、イベントのチケットなどであればリマインドしたりできるのもいいところですね。さらに、店舗側はサービスの管理画面上で、サイトへ来た人の数やダウンロード数、利用数なども管理・分析が可能。そのお店に合ったプロモーションを考える一助になります。

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より便利な社会を実現するために、常に新しいことに挑戦

 機能は随時増やしているのですか?

新宮 はい。最近では、オンラインで販売できるウォレットパス型回数券/サブスク(月額制サービス)の機能をリリースしました。コロナで多大な影響を受けたユーザーさまへのヒアリングの中で、「これまで通ってくれていた常連のお客さまにまた戻ってきてもらいたい」「こんな予期せぬ事態に備えて単発的な収益ではなく、経常的な収益を確保したい」という声を聞きました。そんな店舗さんが新しい生活様式にアジャストし、既存サービスに頼ることなくカンタンに自社で新しいサービスを展開していただきたいという想いから開発に至りました。回数券やサブスクをオンラインで販売することで、売り上げを先に回収することが可能になり、事業継続のための息苦しい資金振りが少しでも軽くなるよう期待しています。さらにお客さまの継続的な来店を促進できるので、新規のお客さまにもお店のファン、リピーターになってもらえる機会を提供することができます。

 2020年4月に株式会社ギフティと提携されましたが、今後はどのような展開を予定していますか?

新宮 ギフティとは、「walletpass.jp」というAPIサービスを開始する予定です。現在、ギフティはギフトを添えたメッセージカードをLINEやメールで送ることができるサービスを行っています。メッセージとともにURLを送り、そこにアクセスするとコンビニなどで商品と引き換え可能なチケットが使える「eギフト」という仕組みなのですが、「walletpass.jp」はそのeギフトをウォレットに入れられるようにするもの。今まで以上に便利に使っていただけるようになると考えています。また、「KINCHAKU」だと加盟店用のアプリが必要ですが、今回はAPIサービスになるので、自社のシステムで発行したり消したりが可能です。そのため、「walletpass.jp」は大手企業への展開を狙っています。

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起業は“仲間づくり”。信頼できる仲間と理想のワークスタイルを実現

 新宮さんが福岡で起業しようと思った理由と、起業してよかった点を教えてください。

新宮 福岡市がスタートアップ企業を応援しているのも理由の一つですが、一番の理由はコストが安いから。スタートアップ企業は、黒字化までにどうしても数年かかります。ですから、東京よりも家賃が安く、若くて元気な人材が多い福岡で起業することにしました。よかった点は、商売や仕事をする際にコネクションが大きく影響する土地柄である点です。地元意識が強いから輪に入るまでが大変ですが、関係性ができると非常に仕事がしやすい。他から競合が参入してきても、簡単には仕事をできない環境とも言えます。

 そもそも、新宮さんが起業しようと思った理由を教えてください。

新宮 新しいことを始めることと仲間を集めることが好きだったからです。起業は“事業づくり”というよりは“仲間づくり”だと思っています。自分が信頼できる優秀な人たちと、自分の理想とする自由なワークスタイルで仕事したかった。だから、当社はスーパーフレックス制を導入しているし、リモートワークもOK。大事なのは量より質だから、やるべきことをできていれば、自分の希望するスタイルで働いていいと思っています。

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起業は長い旅路。メンタルコントロールもしながら覚悟を持ったチャレンジを

 起業家に必要なマインドとは?

新宮 スタートアップは、何をするにしても基本的に「ノー」と言われるもの。いちいち凹んでいては仕事にならないので、慣れないといけません。実績もない、ブランド力もない状態で、全く新しいことをしようとしているのだから仕方がないんです。頭を下げてお願いしたり、多くの人の前でプレゼンをしたりと「恥ずかしい」と感じることもしなければなりません。僕もステージに立ったりプレゼンしたりするのは苦手だけれど、割り切ってやってきました。また、想像以上に成功までの旅路は長いので、最低10年はかかると覚悟して、2~3年で結果が出なくても諦めないことが大切だと思います。

 これから起業を考えている方にアドバイスをお願いします。

新宮 悩むよりは、まず勇気を持ってやってみることが大切だと思います。「失敗するのが怖い」と思うかもしれませんが、それで人生が終わるわけではありません。もちろんお金を投資してくれた方々への恩義は感じると思うけれど、それを返すために個人の命や幸せを犠牲にする必要はないんです。特に若いとそこを割り切れない人もいるのですが、“ビジネス”と“個人”をきちんと分けることが大事ですね。また、信頼できる誰かと一緒に少しずつ取り組めば、結果は必ず出ます。自信を持ってチャレンジしてほしいですね。

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ライター / 神代 裕子