headimage

株式会社ライトライト

代表取締役 齋藤 隆太

#地方課題の解決へ挑む起業家

事業承継をオープンにし、地元で活躍できる社会へ。地方発信型にこだわる起業家の新たな挑戦

株式会社ライトライトは「地域に、光をあてる。」をコンセプトに2020年1月に設立されました。代表取締役の齋藤隆太さんは、これまで「地域×クラウドファンディング FAAVO(ファーボ)」を立ち上げるなど(現在は事業譲渡)、地方に根ざしたプロジェクトに多く関わってきました。今回の起業は地方活性化を進められる新たなサービスとして期待されています。

image 5

後継者を探す事業主の情報をオープンにする、画期的な「クラウド継業プラットフォーム」

 主力事業である「relay(リレイ)」について教えてください。

齋藤 事業を引き継ぎたい事業主と、何らかの事業を譲り受けたいと思っている人をマッチングさせる、Web上のプラットフォームです。一般的に事業継承やM&A関連の情報は、情報漏洩リスクの観点からも高い秘匿性をもって取引が進められています。relay」ではあえて情報をオープンにし、誰がどこでどんな事業を引き継ぎたいかということを公にすることで、広く後継者を募ります。

image 3

 「relay」事業の背景には、どんな社会的問題がありますか。

齋藤 日本では1年で約5万件が廃業していると言われています。そのうち過半数が黒字経営なのに、後継者が決まらないために事業をたたんでいるそうです。事業者さんからは「自分たちの事業には継承するほどの価値がない」という話もよく聞くのですが、本当にそうでしょうか。もしかすると、可能性を知られていないだけかも知れません。現に後継者不足で閉店するとなると多くの人が流れ込むというニュースをよく見かけますよね。それは店が支持されていたということの現れです。引き継いでもらうことを発信していくことが大切で、それは町の文化を守ることにも繋がります。

 「relay」の強みは何でしょうか。

齋藤 前述の通り、情報を開示していることです。誰が売り出しているのか、顔までわかるし想いも伝わる。そういった媒体は今までありませんでした。これまで出す情報は利益、従業員、資産などが中心でした。悪くないし、わかりやすいのですが買い手の幅は狭まり、かつ儲かるか儲からないかだけが指標になってきます。M&A目的の人ばかりが集まるという問題もありました。私は小さな事業を自分で買って伸ばしていくというのは、現実的な選択肢としてあるべきだと以前から思っています。財務面だけでなく、経営姿勢に共感したり、経営者の気持ちを継ぐような部分から始まって承継されても良いと思うんです。今は多少赤字でも「ここだったら立て直せそう」とか「この人の後ならうまくいくかも」と思ってマッチングする、そういうケースがあるのではと思っています。

image 1

東京一極集中の打破を、一生のミッションとして掲げる

 ずばり今回の起業の狙いは何でしょうか。

齋藤 「FAAVO(ファーボ)」でやりたかったのは、故郷を離れて都市部に移った人がゆかりのある地域を支援することでした。それがきっかけで愛着がわき、最終的には移住や定住につながっていくことを期待していたんです。しかし、地方創生元年と言われた2013年から移住や定住がうたわれているものの、なかなか一足飛びに移住するというのは難しいものでした。そこで地方に帰る選択肢として「事業を承継して、経営者になりませんか」ということを提案したいんです。都市部で働いている人が地方に帰ると年収が半分以下になるという現実もあります。そんな方が異業種かもしれないけど、資産を形成していく可能性のある事業を見つけ、磨き上げるのはチャンスだとも思います。そうすれば将来はユニークな人が地方に分散する状況が起こりうる。東京の一極集中の打破にアプローチしつづけるというのは自分のメインミッションでもあるんです。

image 4

 そもそも起業にいたった経緯は?

齋藤 私は一人でプロフェッショナルになるよりも、チームで成果を出すことのほうに面白みを感じるタイプです。ぐちゃぐちゃだったところが整理されて、多様な価値観がひとつにまとまる、という経験をこれまで何度かしてきました。そういう経験から得られる爽快感や充実感といったものを、起業することで味わいたかったんです。またサラリーマン時代に、自分じゃ変えられないものがあることがわかった時に、だったら自分で会社を作ってみようと思ったのも理由のひとつです。自分の思いや考えがあっているかを試したいというのはありましたよね。

 今後の展開について教えてください。

齋藤 2020年7月にβ版を出し、手ごたえを感じているところです。今後はまずSNS上などで情報を拡散していくこと。後継者を探しているという話が地元出身者を中心に繋がっていって、誰かにたどり着くことを目指しています。自治体と連携したり、フランチャイズビジネスなどを通して広げていく予定です。まずは地元の宮崎で何度か成功させてから、全国的な展開に舵きりをしていく。そうすることで、地方都市に尖った人材がもっと増えて、地元で面白い仕掛けをしているとか、すごくビジネスを伸ばしているという現実は起こりうると思っています。転職が当たり前になったように「転地」が当たり前になる世の中にしていきたいですね

image 2

ここぞと判断するときには、失敗しても後悔しないほうを選ぶ

 齋藤さんが、大事にしていることは何でしょうか。

齋藤 これからの地方での起業家のあるべき姿というものを意識しています。事業をやりながら、町づくりにも関わっていく。そして自分たちの住む町を魅力的にしていき、注目してもらうことをライフワークにしていきたいです。そういったフレキシブルさをずっと持ち続けたいと思っています。心がけていることとしては、できるだけストレスフリーな状態を作ることです。成果を出すことに集中するために、周りの環境整備をしましょうということです。今は、仕事上「これはやってなんの意味があるんだろう」と思うことは一切ありません。加えて常に自身をチャレンジしている状態に置くことも大切です。できることだらけの中に身を置かず、少しハードルが高いところにチャレンジし続けていること、それがストレスフリーな状態につながると私は考えています。

 最後に今後、何かに挑戦しようという人にメッセージをお願いできますか。

齋藤 人生ではここぞという、ジャッジをしなくてはいけない場面が何度かあります。大きなジャッジをするときには真剣に向き合って、自分の頭でよく考えてください。そして失敗したとしても後悔しないと言い切れるほうを選ぶこと。もしその選択をしても、言い訳しないと胸を張れるような道に進んでください。それが後の幸せや充実につながっていくよということをお伝えしたいですね。

image 6

Share

ライター / 山本 陽子