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株式会社Napps Technologies

代表取締役 榎本 友幸

誰もがオリジナルアプリを作れる時代へ。スタートアップ支援に尽力してきた起業家の原動力とは

独自で開発しようとすると、高額のコストがかかるアプリ。しかし、オリジナルのアプリを作って、もっと多くの人に自分たちの商品やサービスを効率よく提供したいと思っている方は多いのではないでしょうか。そんな中、「誰もがもっと自由に、低コストでアプリが作れるように」と、スマホ1つでオリジナルアプリの作成・配信ができるアプリ「NappyTown(ナッピータウン)」をリリースした企業があります。福岡発のスタートアップ企業、株式会社Napps Technologies(ナップステクノロジーズ)です。代表取締役の榎本友幸さんに、起業の経緯やサービスについての想いなどを伺いました。

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プログラミング知識なしで「オリジナリティがあるアプリ」を開発可能に

  まずは事業内容について教えてください。

榎本  僕たちは、NoCode(ノーコード)、つまりプログラムコードを使わずに、誰でも簡単にアプリを作れるツールを開発しています。2020年6月に、オリジナルアプリを作成・配信ができる「NappyTown」をリリースしました。このツールは、主にスタートアップ企業や飲食店、美容院など個人事業主に向けて開発したものです。スマホがあれば、100種類を超えるパーツを組み合わせてオリジナルのアプリを作成し、プラットフォームでもある「NappyTown」内に公開することができます。商品の販売はもちろん、ホームページと違って誰が来店したか分かるようにしたり、チャット機能でオンライン接客したりすることも可能です。この「NappyTown」の前に、先行サービスとして4月に「Napps(ナップス)」をリリースしています。これは、簡単な操作で商品を紹介できて、テイクアウト予約をリアルタイムに自動で受け付けられるWeb上のサービスです。新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出されて、テイクアウトを開始する飲食店が増えた際に支援として提供したのですが、飲食店のみなさんには大変喜んでいただけました。

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  「NappyTown」の強みは何でしょうか?

榎本  スマホを使ってパーツを選択し、テキストや写真を変更するだけで、アプリを作成できる点です。パーツを豊富に用意することで、利用者の方は様々な見た目のオリジナリティがあるアプリを作成できるようになります。また パーツの作成自体、プログラミング初心者でも簡単にできるようにしてあり、今後はパーツのマーケットプレイスの展開も視野に入れています。

  なぜこのサービスに着手したのか、経緯を教えてください。

榎本  僕は、10年ほど前からスタートアップ企業の支援を行っています。シード期の人たちに会って、どんな事業を行うのか、それに対してどのようなプロダクトを作りたいのかなどを聞き、それを作って軌道に乗せるサポートをしてきました。ここ数年は弁護士や公認会計士の方からの起業相談が増えており、件数も多くなっため、アプリ開発自体を仕組み化しようと思いました。また、近年アプリ開発は画面を1つ1つ作成する方法から、パーツを組み合わせて作成する方向に大きく変化してきています。パーツを複数のアプリでシェアし、マーケットプレイス化すれば低コストアプリを開発できるのではないかと思い、開発に着手しました。

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アプリの開発を通して感じる、東京と福岡におけるインターン生の違い

  開発はどのように行っているのですか?

榎本  Napps Technologiesの創業メンバーは4人で人手が少なく、あまり開発用の資金を調達していないこともあったので、開発はインターン生に協力してもらっています。関わっているインターン生は、辞めた人も含めるとのべ10数人ほど。彼らが作っているのは、アプリ内で組み合わせるパーツです。でも最近は、「パーツではなくて機能を増やしてほしい」という要望があるし、インターン生も「機能を作りたい」と言っているので、僕が機能の作り方をスパルタで教えているところです(笑)

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  多くのインターン生を見てきて、感じていることがあれば教えてください。

榎本  やはり、自分の進む道は自分で決めることが大事だと改めて実感しています。インターン生は、“やりたいことがあって来た人”と“とりあえず来た人”に、はっきり分かれます。やりたいことがある人は、ここで学ぶことやその後の進路などを決めて来ていますが、周りに影響されてとりあえず来た人は、何から手をつけていいかわからない人が多い。そういう人に進路をこちらから与えても迷ってしまい、「ちょっと考えます」と言って辞めてしまうんです。また、福岡は大企業に入りたい安定志向の人が多い印象です。東京では、就職・起業に関わらず、インターンシップをスキルアップの場として活用する人もいますが、福岡はそういう人は少ないですね。今は、レールに乗って動く時代ではありませんから、自分でレールを作る技術を磨かなければなりません。自分で仮説を立てて進んでいけるようになる必要があるのではないでしょうか。

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起業のきっかけも原動力も、「困っている人を助けたい」という想い

 起業したきっかけを教えてください。

榎本  困っているスタートアップ企業を助けたかったからです。元々僕は、起業しようと思っていたわけではありません。東京のソフトウェア会社に就職して開発を3年半ほど経験した後、ゲーム会社で新規事業としてソーシャルゲームの立ち上げに携わっていました。その時に、新規事業を軌道に乗せるノウハウを身につけたんです。当時はソーシャルゲームの全盛期で、優秀な技術者はそちらに集まっていた時代。スタートアップ界隈に技術者が足りず、みんな困っていました。だから、ゲーム会社を辞めて次を考えた時に、新規事業のノウハウを持っていたこともあり、フリーでスタートアップ企業の支援をすることにしたんです。それが自分で起業することにつながっていきます。

  ずっと東京で活動されていた榎本さんが、福岡で起業することにしたのはなぜですか?

榎本  出資してくれたのが福岡のベンチャーキャピタルだったからです。そしたら、いつの間にか福岡に来ることになっていました(笑)スタートアップ企業の支援をする中で、アプリ開発ツールの「Flutter(フラッター)」を知り、「これならNoCodeアプリを作れる」と思って開発に乗り出したんです。ただ、日本の投資家はソフトウェアにはなかなか投資しないので、資金調達が難しかった。そんな中で、投資していただけたのはありがたかったです。

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 今後の展望について教えてください。

榎本  利用者から「使い方が難しい」といった意見もいただいているので、今後はそこの改善に力を入れていきたいですね。現在はパーツの組み合わせを自由にしていますが、使われるパターンがある程度決まって来ているので、いくつかのパターンを作って提供した方が親切かもしれないとも考えています。解説動画なども作って、ユーザーにとってもっと分かりやすいものにしていく予定です。

  最後に、これから起業しようとされている方にメッセージをお願いします。

榎本  起業を考えているなら、早くすることをお勧めします。IT系での起業を考えているなら尚更です。IT業界には、ソーシャルゲームやアドテクのような“波”があります。行政や銀行の基幹開発に携わるのでなければ、就職してもずっとその波に乗って新しい事業にチャレンジしていかなければなりません。それだと、やることは起業と変わらないんです。違いがあるとすれば、メンバーの選び方。会社だと社内の人的リソースを使わなければなりませんが、起業すれば必要に応じてメンバーを自分で集められます。だから僕は、起業して自分のやりやすい土壌で新規事業にチャレンジしていく方がいいのではないかと思っています。頑張ってください。

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ライター / 神代 裕子