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株式会社toypo

代表取締役 村岡 拓也

フリーターから起業。消費者目線から生まれた、お店のファンを増やすアプリ内アプリ「toypo」とは

スタンプや回数券、お知らせ通知といった、顧客をファンに育てていくための販促活動を簡単に行うことができるアプリ「toypo(トイポ)」。リリースした株式会社toypoの代表取締役・村岡拓也さんは、高校時代から「もっとお店を便利に使えたらいいのに」と、このアプリのアイデアを温めていたと言います。アイデアを形にするために、2019年4月に22歳の若さで起業した村岡さんに、起業までの経緯や起業の魅力などについてお話を伺いました。

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自社で飲食店を運営。徹底した利用者目線でプロダクト開発を実現

 御社の事業内容について教えてください。

村岡 「toypo」は、お店のスタンプカードや回数券をアプリ内で発行したり、プッシュ通知を送ったりすることで顧客の来店を促進するアプリです。アプリ上で注文や決済もできるようになっています。お客さんに便利な体験を提供することで、そのお店を利用してくれる人が増えることを目指しています。使い方は簡単で、お客さんに「toypo」をダウンロードしてもらって、「toypo」内でお店を登録してもらうだけ。お店側は使いたい機能を選び、"アプリ内アプリ"といった形で安価にオリジナルのアプリを持つことができます。現在は、筑豊エリアと福岡市内で現在約30店舗が導入していて、3,500人ほどのお客さんに使っていただいています。

 御社の強みは何でしょうか?

村岡 自分たちで飲食店「トイポランチ」を経営することで、リアルなお店を実証実験の場として持てていることですね。益正グループの居酒屋「天神酒場 ぬくぬく家」を、昼間の営業していない時間帯に間借りして自社で運営しているのですが、「toypo」に新しい機能を搭載した時に、実際に運用して仮説検証ができるのはかなりの強みだと思っています。店を運営しているのも弊社の取締役なので、お店側と開発者両方の目線で確認することが可能です。例えば、テイクアウト注文の機能を導入する際には、「この表示だと注文が確認しづらい」といった生の声をすぐにプロダクトへ反映させることができる。現場と開発が直結しているので、改善の頻度もかなり早いし、徹底的に利用者目線に立った開発ができていると思っています。

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お店にとって使いやすいアプリにすることで、便利な世の中を実現したい

 どのような経緯でこのアプリを開発されたのか教えてください。

村岡 I T化が進んで便利な世の中になっているはずなのに、実店舗とお客さんのやりとりは、いまだにアナログな部分が多い。僕自身、消費者として会員証や回数券を財布に入れて持ち歩くことを不便に感じていたので、それを解消できるものを作りたいと考えたのが出発点です。開発にあたっては、まずお店に手紙を書いて、実際に抱えている課題をヒアリングしていきました。すると思っていた以上にITリテラシーが低いことや、専任のマーケティングスタッフはいないので、店長が休憩時間にサッと使えるものでないと利用されないことなどがわかってきました。そこで、スマホでもパソコンでも使えて、アプリとブラウザ両方で扱えるようにして選択肢を増やし、UI /UXもわかり易さを追求することに力を入れました。

 元々は、「お客さんがお店を便利に使えるように」と考えたサービスだと思うのですが、お店の利便性をかなり追求されたのですね。

村岡 エンドユーザーである消費者にとって便利な社会を目指すには、お店に導入して貰う必要がある。そのためには、お店にとって使いやすく意義があるサービスでなければならないと考えました。最近は、toypo」を使うことで、どれだけ売り上げやユーザーが増えたかも可視化していくようにしています。毎月お金をいただいて導入してもらう以上は効果を感じていただきたいですし、「この業種ならこれだけ効果が出ます」とお伝えした方が導入していただきやすい。また、業種によって使う機能や集客方法などが全然違うので、今は業種別に売上を増やす方法を研究するなど、マーケティングにも力を入れています。

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高卒フリーターから一念発起!起業により自身の成長を実感

 村岡さんは、元々「起業したい」という思いを持っていたのですか?

村岡 はい。父が会社を経営していたこともあって、起業は身近な選択肢でしたし、憧れもありました。僕は、大学には受かったものの行く意義を見出せず、進学せずに地元の飯塚から福岡市内に出てきてフリーターをしていたんです。いろいろなバイトをしながら3年ほど過ごしていたのですが、同世代の友人たちが就職活動を始めたことで「自分は何をしたいんだっけ?」と、改めて自分の人生を考えるようになって。焦りもあったと思いますが、「toypo」のアイデアはあったので「これを実現しよう!」と決めて、高校時代の同級生に声をかけ起業しました。一般的には、プロダクトを作る前にいろいろリサーチなどしてから起業する会社が多いと思うのですが、僕たちは起業が先。それは、イチ起業家としてのけじめであり、決意表明みたいな気持ちでしたね。

 若くして起業された村岡さんですが、「起業の魅力」はどこにあると思いますか?

村岡 起業することで、環境が成長を促してくれるところですね。起業する前と後では毎日がガラッと変わりました。Fukuoka Growth Nextの支援を受けたことで、上場企業の経営者やベンチャーキャピタルの人と話す機会をいただいたり、同じく起業した人たちと交流するようになったり。そうするうちに、今までは全然知らなかったスタートアップや資金調達などについてもわかるようになっていったし、勉強せざるを得ない環境になっていきました。そんなふうに成長できたのは、起業したから。ずっとフリーターだったら見えない景色だと思います。それに、仕事は人生の大半の時間を占めるものですから、自分が魅力を感じるサービスを作って世の中に広げるのはおもしろいと考えたんです。自分がしたいことを、自分が信頼できる人たちと一緒に取り組めることは本当に楽しいですね。

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 起業をする上で、「大事にした方がいい」と思っていることを教えてください。

村岡 仲間選びが大切だと思います。僕自身、起業するまでは自分で何でもやれると思っていました。でも、実際起業してみると一人でできることには限界がある。「会社はチーム」だと実感しています。自分と相手のやりたいことに折り合いをつけて、一緒に取り組むことが大事ですね。僕も、会社を立ち上げたメンバーとはケンカをたくさんしますが、すごく真剣に向き合っていると思っています。そういった人を見抜く目は必要なのではないでしょうか。ちなみに、僕が人選びの際に大事にしているのは、「他責にしない人」であること。できないことがあってもいい。でも、「うまくできない原因は自分にあるのではないか」と考えられる人であることが大事だと思っています。

 これから起業しようと考えている人へメッセージをお願いします。

村岡 チャレンジしたいことがあるなら、まずは起業してみたらいいと思います。起業自体は登記さえすればできます。でも、「起業したいと思っている」というのと「起業しました」では、周りの対応も全然違う。一歩踏み出すことで環境は変わってきますし、周りも支えてくれます。もちろん、続けていくのは大変なこと。でも、起業することで成長し続けられるから、取り組みたいことがあるなら、ぜひ起業してくださいね。

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ライター / 神代 裕子